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重大事件に学ぶ 「危機管理」 佐々淳行&後藤田正晴さんのいい仕事!

最近、豪雨、台風、地震、尖閣などなど、災害・人災が多いです。
 しかし、振り返ってみますと、70年代を中心に、日本も少し前に大変な時代がありました。よど号ハイジャック事件、東大紛争、あさま山荘事件、ひめゆりの塔事件(今上天皇が火炎瓶を投げられた)、三原山噴火など荒々しい事件はどうやって処理されたのか。
 それを処理したデキル官僚は、どうやって有事に対応したのか、今さらながら、知りたい~、と思って本屋をうろついていたら、それらの対応にあたった名官房長官の誉れ高い後藤田正晴さん(最近よく 仙谷由人官房長官と比較されますが)、と、その実務を記した、佐々淳行さんの書いたいい本に出合えました。

 有事における政府・行政の対応本として、大変示唆に富んでいます。それとともに、官僚が有事でいかにいけてない行動をとりがちかわかるようになっています。思わず胸が熱くなる本でした。キャリアなりたての若手有志官僚、もとい、全官僚に読んでいただきたいです。

ということで、いい!と思ったところを箇条書き調で記します。危機管理の対応事例です。

○上司や報道機関に、「異常なし」と一報入れる「ネガティブレポート(何もなかったことを報告すること)」は危機管理上非常に大切。これは社会的大事件の危機管理はもとより、ビジネス、職場、家庭においてもどこでも使える。
例:あさま山荘事件で、記者たちが新聞の締め切り近くなると、他社に特ダネを抜かれることを気にして、イライラしてくる。それに対し、行政から、定時に「午後一時現在、情勢に進展なし、したがって発表事項なし、以上。」と言うだけで、記者から、大変ありがたがられ、場も落ち着き、危険な取材などの危険も回避された。

○雪印の牛乳食中毒事件では、社員たちが自社のブランドイメージから、「わが社に限ってありえない」と考え、悪い情報が上に上がらなかったことで、社長も不遜な対応をすることとなり、傷を大きくした。
そして、佐々さんによれば、事故発生の際、他の工場まで生産停止をしたのは、余計な対応である、とのこと。検査して異常なしの工場はすぐに安全宣言を出して、生産を再開し、安全というお墨付きをあたえる、それが信用回復につながる、そうです。     ・・なるほどだと思いました。

○伊豆大島1万3千人住民に逃げ場のない、三原山噴火が起こったときについて。(溶岩流が元町めがけて迫っており、非難について一刻を争う事態だった。水蒸気爆発の恐れもあり。)
 後藤田官房長官は、報告を聞いたとたん、会議を立ち官邸に向かい、著者の佐々さんも電話が来次第、法事の家族会議をおいて、すぐ両者官邸に向かっている。(こういうときは会議など切り上げ、対策本部に集まるべしとのこと)
 集まった官邸で、後藤田官房長官が「担当官庁は国土庁はどうした、情報が入ってこんぞ」と言うので、佐々さん、国土庁に確認するが、何度連絡しても、「会議中です」の一点張りでらちが明かない。           そこで、会議の内容を聞くと、「災害対策本部の名称(大島災害対策本部とするか、三原山噴火対策本部にするか)」「元号を使うか、西暦を使うか(昭和天皇もご高齢なので、元号が変わらないとも限らない、でも西暦は前例がない)」「臨時閣議を招集するか、稟議にするか」を会議しているとのこと。これではらちがあかないということで、中曽根康弘総理に官邸サイドで動いていいか確認し、命令を出す。急ぎ各関係機関に連絡、命令し、近隣諸島の漁船・民船、東海汽船、海上保安庁艦船、自衛隊艦船を集め、全島民避難を実現させた。(食事宿泊の手配も考え、少し遠いが同じ東京都内の竹芝桟橋に非難させる。)
 ・・延々会議をやっていた国土庁は、翌日の記者会見で「官邸は独善的で横暴だ」とコメントしたそうです・・。とにかく、上記会議の中身が、衝撃的でした。そんなことやってて、1万3千人をみすみす被害に追いやっていいのかと。国土庁の方々は、ある種の集団パニックで現実逃避したかったのかもしれません。小田原評定じゃないですが、やばいときほど、人間は逃避して別のことをしたくなる面もあるようなので、当事者、第三者ともに、関係機関が実は何をやっているか、注視し、場合によっては手入れする必要があります。

○冷戦時代にソ連のミグ25が日本に亡命してきたときの、各省庁の所管争いも圧巻です。
 その対応を防衛庁に振られたとき「領空侵犯というのは空を飛んでるときにのみ適用される。今は函館に着陸してるので、これは密入国で法務省入国管理局の仕事と考える」
それを言われた法務省は「冗談じゃない、パイロットはトカレフ銃を持っているので、警察庁の仕事だ」
 以後、鮮やかなバトンタッチのように「パイロットがアメリカに亡命したいと言ったので、外務省だ」「飛行機は停泊している、飛行機は落し物なので、遺失物法で警察だ」「ミグ25は密輸品だから、大蔵省関税局だ」「航空機に関することだから、やはり運輸省だ」「軍用機だから防衛庁だ」「ミグ25を送り返すのは、輸出だから通産省だ」・・というやりとりを実際に続けていたらしいのです。びっくりしました。こういうことに頭使ってるんだ、全体として、この人たちは何がアウトプットできるんだろうと思いました。かなり非効率な組織です。

○他方、危機対応のよい事例として
神戸の日銀支店長の遠藤勝弘さんの話がのっています。

遠藤さんは、阪神大震災に遭遇したが、歴史的知識として、関東大震災の時、銀行の払い戻しができないことで、人々が大きな暴動や略奪が起こったことを知っていた。そこで、地震が起こった後、支店内の大金庫が停電で開かなくなる前に、中にあった紙幣を全部運び出し、(他の人なら逆に、それらをすべて金庫にしまいこむだろう、と佐々氏)神戸市内にある市中銀行すべてに電話を入れ、状態のいい銀行で各銀行の共同窓口の開設を命じ、県警に電話して20人の警備をその銀行に集中配置し(震災時に大量に必要となる警察力の節約になる)、払い戻しに応じるとともに、小銭がなくて自販機などが使えない人に、遠藤さんの責任で、1000円分の小銭の入った袋を4000袋つくり、義捐金です、と言って、配って回ったという。(配った遠藤さんいわく、どうせあとからもっと義捐金を出すんですから、その中に含めて処理すればいいと思い、私の責任でやりましたとのこと。立派です。)また、ある学生が、両親の元に返りたいから5万円貸してほしい、というので、5万円貸したら、3日後に返しに来ていた。とか、コンビニで、店員だけでは手が足りないので、住民が連携して自発的に店員の代わりをして物の流通が行われたとか、遠藤さんの適切な危機管理対応のおかげで、暴動どころか、連携して対処できた、との例が示されていました。とっさの機転で、その後の命運がこうも変わる、これはすごいことです。

他にも優良事例が多数載っていました。

最後に、後藤田五訓という、著者の上司の後藤田官房長官が、示していた訓示を書きます。
1、出身がどの省庁であれ、省益を忘れ、国益を想え
2、悪い本当の事実を報告せよ
3、勇気を以って意見具申せよ
(どうしましょうか、ではなく、私が○○長官ならこうします、と具申せよ)
4、自分の仕事でないと言うなかれ
5、決定が下ったら従い、命令は実行せよ

官僚達が、これを胸に入れて働けば、日本はさまざまな危機にもっとよく対応できるのに、
また、無駄なコストが省かれるのになあと思いました。
結局、おびえて逃げるのでなく、ボランティア精神をもって、問題にあたる、そして最善策を考え行動する、それが自信につながるのでは、と思いました。危機・有事の際には、恐怖・パニックが最大の障害になるパターンが多いなあと思いました。
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